2018年12月17日(月)

持続可能な介護保険へ応分の負担を

2013/9/17付
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介護保険は2000年度に始まった新しい制度だが、高齢化が進むなか、新たな対応を迫られている。介護費用は13年度予算で9.4兆円と、00年度の2.6倍に膨らんだ。制度の持続可能性を高めるには、利用者に応分の負担を求めるなど、着実な見直しが欠かせない。

政府の審議会でこのほど、本格的な議論が始まった。8月にまとまった社会保障制度改革国民会議の報告書と、その実現への道筋を示したプログラム法案骨子を受けたものだ。

国民会議の報告書は、低所得者に対する保険料の軽減の拡充などを打ち出す一方、「一定以上の所得のある利用者負担は引き上げるべきだ」などと負担増も求めた。

利用者の自己負担割合は、00年の制度創設時から1割にとどめられている。一口に高齢者といっても収入などは様々だ。医療保険では3割負担の高齢者もいる。介護保険でも過去に2割負担が検討されたが、実現しなかった。

生活に過度に影響しないよう、負担引き上げの対象範囲は慎重に決める必要があるが、もはや先送りはできない。政治にも一歩、前に踏み出す決断を求めたい。

報告書は、利用者のなかでも比較的症状が軽い「要支援」の人へのサービスのあり方を抜本的に見直すことも提言している。厚生労働省はこのほど、15年度から段階的に市町村の事業に移す案を審議会に示した。

財源が介護保険から出るのは同じだが、サービスの内容や料金などは自治体の裁量となる。介護事業者だけでなくボランティアなどにも担い手を広げ、地域の実情に合わせて効率的にサービスを提供できるようになれば、コストの増加を抑える効果が期待できる。

だが地域間格差が生じたりサービスが低下したりすれば、かえって介護が必要な人が増えかねない。どのように地域の受け皿を増やし、高齢者の生活を支えるか。具体策を練ってほしい。「要支援」と認定されている人は約150万人いる。十分な説明と丁寧な移行措置が必要だ。

介護が必要になりやすい75歳以上の高齢者は、現在の約1500万人から25年には約2200万人に増える。将来に備え、財源の確保や、より効率的にサービスを提供していくことが欠かせない。10年先を見越した議論が、今こそ求められる。

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