需給見据え安全確認した原発の再稼働を

2013/9/3付
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関西電力の大飯原子力発電所3、4号機が15日までに、定期検査のために運転を停止する。国内で稼働する原発は1年2カ月ぶりにゼロになる。

電力需給はまだ厳しい。原発を代替する火力発電用の燃料費も増え続けている。新規制基準に沿って安全が確認できた原発を着実に再稼働させていく必要がある。

国内の原発は昨年5月、すべて停止した。大飯原発は政府が夏場の電力不足の回避を理由に、暫定基準で再稼働を決め、昨年8月に運転を再開した。

今回の停止は13カ月以内の定期検査を義務付ける規制に沿った措置だ。稼働の基準を定めた新規制基準が施行された以上、大飯原発だけを特別扱いはできない。

福島第1原発の事故から3度目の夏、和らいできたように見えた電力の需給は依然、綱渡りであることを思い知らされた。

全国で猛暑が続き、8月22日には関電の供給区域で、供給力に対する需要の割合を示す電力使用率が96%に上昇した。これは政府が警報を発する一歩手前の水準だ。

関電は中部電力や中国電力など周辺の4電力会社から緊急に電力を送ってもらいしのいだ。同じ日、関電を含め全国6社の使用率が90%を超えた。

電力各社は原発を補うため、火力発電所をフル運転させている。長期間運転を止めていた古い設備を使うケースもあり、酷使でトラブルが頻発した。9月に入ったとはいえ残暑が続く。需給にまだ気を緩めるわけにはいかない。

原油や液化天然ガス(LNG)などの2012年度の輸入費は、事故前より約3兆円増えた。13年度は増加分が3兆8000億円に膨らむ見込みだ。

北海道電力、東北電力、四国電力の3社は1日から家庭向けの電気料金を平均7~8%引き上げた。値上げした電力会社はこれで6社となる。国富の流出と国民負担の増大は、回復の兆しが出てきた景気に水をさしかねない。

福島原発での相次ぐ汚染水問題は国民に強い不安を広げている。国をあげて事故処理に取り組み、信頼を回復させることがなによりも大切だ。

同時に安全が確認できた原発は使わざるをえない。そのための新規制基準だ。すでに4社が計12基の再稼働を申請した。原子力規制委員会の審査も始まった。この作業の円滑な実施が必要だ。

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