2019年7月18日(木)

中国の実像映す薄熙来裁判

2013/8/24付
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収賄などの罪に問われた中国・重慶市の元トップ、薄熙来被告の初公判が開かれた。一党独裁体制の国なので政治ショーの色合いが濃いとはいえ、情報統制のベールに覆われた共産党政権の実像をうかがう機会ではあろう。

公判が山東省済南市の地方裁判所で開かれたのは、被告の影響力が比較的弱い地域の裁判所を選んだ結果だ。政治に左右されがちな司法の姿が浮かびあがる。

被告は昨年3月に失脚するまで最高指導部入りも取り沙汰されていた実力者で、内外メディアの関心は高い。裁判所は法廷内のやりとりや写真をネットで逐次公表する異例の対応を取った。

一方で共産党政権は、国内のメディアに対し独自の取材や報道を禁止する通達を出している。積極的な情報公開の姿勢や公正な司法を内外にアピールすると同時に、政権に有利なように世論を誘導する狙いがあるのだろう。

被告が重慶で推進した強権的な手法と弱者重視の政策は、保守的な勢力と貧困層から支持を得ていた。今も政治的な路線対立の火種で、指導部は影響を慎重に考慮して公判の時期や情報公開の進め方などを決めたとみられる。

検察側は主に被告の大連市長時代の犯罪を問題にした。本人だけでなく妻や息子を通じて計2179万元(約3億5000万円)のわいろを受け取り、500万元の公金を横領したという。

重慶のトップだった時、妻の谷開来受刑者(執行猶予付きの死刑判決が確定)が英国人実業家を毒殺した事件を隠蔽したとの職権乱用も、起訴の理由だ。

習近平国家主席ひきいる今の指導部は昨年秋の発足以来、腐敗に厳しい姿勢を打ちだし政権の求心力を高めようとしている。薄被告の裁判もそんな思惑の表れだ。

公判前は罪を認めていたという被告は公判では供述を翻し争う姿勢を鮮明にした。政治的な思惑が優先され真相の解明は期待できないとの見方が多いだけに、被告がどこまで争うか、注目される。

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