2019年9月20日(金)

戦争と平和を考え続ける覚悟を持とう

2013/8/15付
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暑い夏の日、68回目の終戦の日が巡ってきた。すべての犠牲者にあらためて哀悼の意を表し、平和への誓いを新たにしたい。

68年の月日は、どう戦争を語り、受け継いでいくのかという課題を、より大きく、重いものにした。戦後生まれの人は今や人口の8割近くを占め、2012年、初めて1億人を突破した。戦争が遠くなったからこそ、歴史に学ぶ姿勢を一層、大事にしなければならない。

日本は世界の情勢を読み誤り、戦争の道を突き進んでいった。犠牲者は日本人だけで310万人に及び、アジアなど各地に深い傷痕を残した。

終戦の年には東京大空襲、沖縄戦、広島、長崎への原爆投下と、民間人に多くの犠牲が出た。ポツダム宣言受諾の決断に至るまでの間、正確な情勢の分析・共有はなされていたのか、いたずらに決断が先送りされることはなかったか。現代にも通じる大きな課題が、そこにはある。

戦争を体験した当事者に直接、話を聞くことは、年々、難しくなっていく。証言の記録、継承活動を進めることが重要だ。長崎では8月、旧城山国民学校校舎など4件の原爆遺跡が国の文化財に登録された。物言わぬ「物」も、戦争を伝える大事な存在となる。

なにより一人ひとりが、歴史について考え、冷静に学んでいく姿勢を忘れてはならない。ともすれば目を背けたくもなるかもしれない。若い世代に限らず、親世代にも課せられた宿題だ。

この時期、各地の展示などで考えるきっかけを得る人は多いだろう。きっかけは身近にも多くある。祖父母らと話をする、地域の歴史を学ぶ。本や映画で戦争に触れる機会も増える。

大事なのは、内容について誰かと語り合ったり、そこからさらに視野を広げたりすることだ。歴史は多角的な側面を持つ。すぐに全容が分かるほど単純なものではないし、何を感じるかは受け手の知識にも左右される。

様々な見方があることを知り、知識を積み重ねていく。それは、単純な熱狂に流されない判断力をつむぐことでもある。知ったかぶりや無関心は、危険だ。

戦中戦後の生活資料を展示する東京・九段の昭和館には、多くの親子連れが訪れていた。熱心にメモをとる姿が目立つ。そこから読み取れるのはごく一部の側面だろう。だがこれも、一歩だ。

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