2019年9月23日(月)

原発の選別促す廃炉ルールを

2013/8/7付
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経済産業省の審議会が原子力発電所の廃炉に伴う会計制度について見直し案を示した。原発の新しい規制基準が施行され、安全性に照らした原発の選別がこれから本格化する。政府は会計制度だけでなく、こうした状況に対応した廃炉ルールづくりを急ぐべきだ。

原発の廃炉は1基あたり400億~800億円の費用がかかり、電力会社はあらかじめ電気料金に上乗せして積み立てている。いまの制度は原発が40年以上稼働することが前提で、毎年の発電実績に応じて積立額を決めてきた。

だが新規制基準は安全対策の強化を義務づけ、基準を満たさない原発は40年未満でも廃炉を迫られる。その場合、電力会社は積立金の不足や、設備の損失処理が巨額に膨らむ恐れから、廃炉を決断できないと指摘されていた。

見直し案では廃炉費用の積み立てを稼働中だけでなく、運転終了から解体開始までを含め10年間延ばすことや、発電実績にかかわらず毎年一定額を積み立てることで不足分を補うとした。早期の廃炉を想定してこなかった制度の不備は明らかで、見直しは当然だ。

電力会社が廃炉資金を確保できれば、安全対策に巨額のコストがかかる原発の再稼働を断念することも考えられる。経済性の観点から原発を選別するうえでも、こうした見直しは必要だ。

課題も多い。廃炉費用は電気料金の形で最終的に消費者が負担する。だが廃炉が相次げば電気料金がどの程度上がるのか、詳しい試算が示されていない。経産省はそれらをきちんと説明すべきだ。

廃炉に伴う電力会社の損失を会計上の処理で軽減するとした案についても、電気料金の過度な上昇を招かないよう、透明性の高い運用が求められる。

会計制度以外にも、原子炉の解体で生じる放射性廃棄物の処分地の確保や、運転終了と同時に地元自治体への交付金が打ち切られる問題など、廃炉には課題が山積する。政府はこれらにも真剣に向き合うときだ。

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