2019年7月19日(金)

春秋

2013/8/2付
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韓流ブームのきっかけになった「冬のソナタ」に、いい場面がある。工事現場の男たちとの飲み会で、チェ・ジウさん演じるヒロインが一曲披露するのだ。雨降る湖南線 南行列車――韓国でかつて大ヒットした歌謡曲のひとつだ。これが、日本人の琴線にも触れる。

▼韓国文化をめぐるこうした「発見」が、あのブームの背景にあったのは間違いない。隣の国なのによく知らなかったけれど、なんだか不思議と懐かしいなあ。そういう親近感が日韓の自然な行き来につながり、女性だけの気軽なツアーなども増えた。韓国というだけでどこか身構えて接した時代は遠く去った、はずだった。

▼昨今の出来事をみていると、しかし、その関係がどんどん壊されていくようで悲しい。日本企業に対し元徴用工への損害賠償が命じられ、サッカー会場では政治的な横断幕が掲げられ、米国内には従軍慰安婦像が設置され……。振り返れば去年8月に当時の李明博大統領が竹島を訪れて以来、あっという間のきしみ拡大だ。

▼これでは日本のなかに嫌韓派を増やすばかりである。言うべきことは言わねばならぬが、努めて冷静でもありたい。ナショナリズムをむき出しにしたり、口汚くののしったりすればますます道を見失おう。やはりいちばん近い隣人なのだ。音楽、料理、ファッション、日々の暮らしぶり。韓国にはまだまだ「発見」がある。

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