[大賞]NPO法人フローレンス
病気の乳幼児預かる

2013/6/6付
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「子供が急に熱を出した。預け先が無くて仕事を休むしかない」。子育て中に、そんな経験をした人も多いだろう。共働きが広がるにつれ、病児の世話に悩む家庭は増えている。フローレンスは、病児がいる家庭にスタッフを派遣するなど、病児保育を手掛けるNPO法人だ。支援サービスを通じ「育児と仕事が両立できて当たり前の社会」を目指している。

風邪など軽い病気の子供がいる家に保育スタッフを派遣する

病児保育は病気の乳幼児を預かるサービスだ。保育所は子供が高熱を出した場合、預かりができない所が多い。水ぼうそうなどの感染症は、治っても一定期間は休む決まりもある。こうしたときに病児保育が頼りになる。フローレンスが提供しているのは自宅で預かる訪問型サービス。子供を病児保育施設に連れて行く必要がない。当日朝の予約にも対応している。料金は掛け捨ての月会費制の共済型だ。

フローレンスの設立は2004年。代表理事の駒崎弘樹さんが、ベビーシッターをしている母親から聞いた話がきっかけだった。ある双子の母親の子供が発熱し、保育所で預かってもらえずにしばらく会社を休んで看病していた。すると、会社が怒って事実上解雇されてしまった。「子供が熱を出すのは当たり前。それで職を失っていいのか」と憤りを覚え、社会を変えようと動き出した。

会員数は年々増加し、2200世帯を超えた。対象エリアも東京23区のほか、周辺に広がっている。昨年には女性医師による往診サービスも開始し、鼻吸いや吸入にも対応できるようになった。

サービスのもうひとつの柱が、小規模保育所「おうち保育園」事業だ。待機児童が深刻化する中、10年に始めた。同園は少人数保育を掲げ、保育スタッフ1人が3人の子供(0~2歳児)を担当する。現在、都内に9園設置している。賃貸マンションや一軒家を利用することで、待機児童が多い地域にピンポイントで開設することが可能だ。待機児童が解消された後は、住居として再利用できる。

設立以来、様々な活動を展開してきたが「まだまだ子育てしながら働きにくい社会。待機児童の他にも問題は山積み」と表彰式で駒崎さんは語った。フローレンスの挑戦は続く。

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