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宇宙はこう考えられている 青野由利著

素粒子論、鮮やかに解説

(ちくまプリマー新書・820円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

こりゃあ、世界一わかりやすい宇宙の本が登場したかもしれない。

ヒッグス粒子、対称性の自発的破れ、マルチバースなどなど。難解で、ほとんど誰も理解できない素粒子論と宇宙論の話題を、息を呑(の)むほど鮮やかに解説してくれる。

たとえば、ヒッグス粒子の発見が騒がれたとき、テレビでも盛んに「ヒッグス場が素粒子に質量を与えるメカニズム」について説明していた。でも、どれも今ひとつわかりにくく、正確でもなかった。ところが本書では、CERN(欧州合同原子核研究機関)のホイヤー所長が語った例え話を紹介してくれる。

「大きな会場にたくさんのジャーナリストが集まっているとします。(中略)有名なスターだったら(たとえばヒッグス博士だったら)、もっとジャーナリストが寄ってきて、ぜんぜん前に進めなくなります。さらに質量が増え、『ヒッグス博士は、とても重くなる』わけです」

ようするに著者は、ワカラン病を治してくれる名人なのだ。

リービット、フリードマンなど、男ムラで踏ん張っている女性科学者に光を当てており、大変な力作。心からオススメしたい。

★★★★★

(サイエンス作家 竹内薫)

[日本経済新聞夕刊2013年5月8日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

宇宙はこう考えられている: ビッグバンからヒッグス粒子まで (ちくまプリマー新書)

著者:青野 由利
出版:筑摩書房
価格:861円(税込み)

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