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スカイツリーから早く電波を

2003年末から10年に及んだ地上テレビ放送のデジタル化作業が5月中にも完了する。最後に残るのは東京タワーから東京スカイツリーへの送信所の移転だ。ただ移転に伴い、関東地域では新たな受信障害が発生する可能性がある。NHKや在京民放5局は受信対策を急いでほしい。

東京の新しい観光名所にもなったスカイツリーは高さが634メートルと東京タワーの約2倍ある。高層ビルの増加を受け、電波の発信部分を高くすることでビル陰などによる受信障害をなくす狙いだ。

だが場所が港区から墨田区に移ることに伴い、新しい障害も生じる。受信電波が弱かった家庭では増幅器を使っており、受信環境が改善すれば電波が逆に強くなり過ぎ、障害が起きてしまう。アンテナの向きを変えなければならない家庭もあり、間に新たな障害物があれば映りにくくなる。

こうした新しい障害を発見するため、各局は昨年末から試験放送を実施し、受信世帯に注意を促してきた。コールセンターには30万件を超す問い合わせがあり、工事や調整が必要な世帯が10万5千件近くあることが判明した。

各局は5月中の移転予定は変えていないが、大型連休で対策工事が滞れば、延期の可能性も出てくる。7月の参院選や夏休みを考えると9月以降にずれ込むこともあり得る。各局は全力で工事や調整にあたってもらいたい。

視聴者側の協力も必要だ。マンションなどの共聴世帯では設備の変更は管理組合や総会の承認が要る。新しい受信障害に気付いた場合は、すみやかに手続きを進めてほしい。また難視聴対策ですでに別の場所からケーブルで引いている場合も注意が必要だろう。

送信所がスカイツリーに移転した後、東京タワーの用途としてはAMラジオ局による難聴対策用のFM放送に使うことなどが検討されている。移転延期となった場合の不要な費用負担を避け、新しいサービスに道を開くためにも、最後の詰めを怠らないでほしい。

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