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企業は消費の転換点をうまくとらえよう

一部の高額品から衣料、家具、サービスなどへ、好調な個人消費の分野が広がりを見せ始めた。この流れを確かなものにするために企業は縮み志向を脱し、攻めの姿勢で工夫や挑戦をしていきたい。

小売り各社の好決算が続く。百貨店では2013年2月期にJ・フロントリテイリングが4割、高島屋が2割の営業利益増となった。高齢者や富裕層だけでなく、若年層の消費も勢いが増しているという。3月も主な店舗の売上高は前年比で5%以上増えた。

コンビニエンスストア大手3社の営業利益も過去最高を更新。今期も主要小売り55社の8割が増収・経常利益増を見込んでいる。

小売業だけではない。内閣府の「景気ウオッチャー調査」によれば、宴会、ホテル、タクシーなどサービス業の消費も活発になってきた。その結果、北海道では物流やサービス、南関東では証券や銀行など、各地で様々な分野の求人が増える傾向にある。

雇用情勢の好転は将来への安心感を生み、消費を勢いづかせる。今春、賃上げを表明する企業が流通業を中心に相次いだことも、消費者の気分を明るくさせた。

ただし流通業などの中にも、消費の先行きに慎重な見方がある。今の流れを確かなものにしたい。そのためには企業の努力と挑戦が不可欠だ。流通、サービス、消費財メーカーなどは、消費の潮目の変化をとらえた商品やサービスを開発したい。

セブン&アイ・ホールディングスは、地方の大型店舗に手厚い接客を伴う化粧品店を開くほか、質のいい独自の食品開発に力を入れるなど、低価格競争と一線を画して業績を伸ばしつつある。こうした挑戦も消費を掘り起こす。

隠れた需要はまだ多い。ネット通販や駅構内の物販施設は、買い物に時間をかけたくない消費者の心理をとらえた。既存の小売業からは出にくい発想だ。ファミリーマートは各地の薬局と提携し、薬を置くコンビニの出店に力を入れる。新たな発想による企業間の連携も、どんどん進めたい。

1980年代のバブル期のように株高という追い風に甘えたり、既存の「高級品」をただ輸入販売したりするだけでは寂しい。今の好業績を生かして新しい需要を発掘し、生活者の安心や利便性を向上させる。そうした試みにまじめに取り組む企業が消費者に支持され、消費を育てるはずだ。

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