2019年1月21日(月)

TPP交渉 これからが国益高める本番だ

2013/4/13付
保存
共有
印刷
その他

環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる日米間の事前協議が決着し、日本の交渉参加が事実上、決まった。新しい貿易・投資のルールを築く作業に、ようやく加わることができる。安倍晋三首相は「国家百年の計だ」と意気込みを語った。これからが本番である。

現在11カ国が加わる交渉は、既にかなり進んでいる。大枠合意の目標期限は10月だ。多くの時間は残されていない。駆け足で追いつかなければならない。

交渉の入り口に立つまで、これまで日本の政治は遠い回り道をしてきた。これ以上、時間を無駄にしないために、日本が通商政策で追求すべき国益とは何かを、しっかり認識しておく必要がある。

国内市場に聖域を設け、競争力が弱い産業を保護することが、最優先の国益ではないはずだ。海外市場を舞台に、強い産業をさらに伸ばし、新しい成長産業を生み出す仕組みを築くことこそが最も重要な国益である。

最短で3カ月後の正式参加までに、ルールづくりはさらに進むだろう。日本企業と日本人が力を発揮するために、どのような通商ルールが必要なのか。短期間で交渉に反映させるために、官民をあげて知恵を絞らなくてはならない。

日米事前協議の合意は、日本の交渉参加に反対する米自動車業界の要求を色濃く反映した内容となった。米国側の関税削減を先送りし、技術の基準や流通制度などについて、TPPとは別に日米間で交渉を続けることが決まった。

投資や検疫など様々な非関税障壁についても、日米2国間の枠組みで交渉する。米国は1990年代に経験した日米構造協議、包括経済協議を念頭に、2国間の枠組みを使って日本に市場開放の圧力をかけるつもりだろう。

日本の参加表明が遅れたため、米国からの注文が増えた印象はぬぐえない。日本が聖域の論議を持ち出した影響で、米国や他の交渉国で保護主義的な主張が息を吹き返すのも心配だ。高い水準の自由化を目指すTPPの「純度」を、これ以上落としてはならない。

新設する日米の枠組みが過去の日米協議と本質的に異なるのは、一方的制裁を定めた米通商法の効力が失われている点だ。対立的にせず、対等な立場で是々非々で議論できるはずだ。米国の個別業界のエゴが出やすい2国間協議にとらわれすぎず、TPP交渉でのルールづくりに集中すべきである。

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報