春秋

2013/4/8付
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株式投資のセミナーがにぎわっているそうだ。20代の、初心者とおぼしき人たちの姿も目立つ、と耳にした。ここ数カ月の株価の上がり方をみると、さもあらん、と思う。昨年の11月14日に当時の野田佳彦首相が衆院解散を明言してから、日経平均は実に48%上がった。

▼「16日に解散してもいい」「16日に解散をします」「やりましょう、だから」。まなじりを決した、という風情で野田さんが語ったのは、安倍晋三自民党総裁との党首討論の場だった。その直前までは「日経平均、7日連続で値下がり」などというニュースが飛び交っていた。潮目が変わる時とは、こんなものなのだろう。

▼党首討論では野田さんの迫力にたじたじとなった観もあった安倍さんだが、いまや首相として株高の追い風を満帆に受けている。自分のふところ具合は相変わらずだけど、周りから景気のいい話が聞こえてくるので安倍政権を評価する、という人もいるだろう。少なくとも野田政権に比べ市場に好かれている、とはいえる。

▼改めて感じ入るのは、景気という言葉の味わい深さだ。分解してみれば景色の「景」と気分の「気」。要するに見た目と心持ちの組み合わせだ。経済学でいう「期待」という言葉にどこか通じている気がする。とすれば、株高が「期待外れ」に終わった場合の反動が気になる。こんな不安もやはり、景気の一部なのだろう。

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