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春秋

痛車の人気が広がっている。読みは「いたしゃ」。アニメやゲームのファンが、美少女キャラクターのイラストを、自分たちの手で大きくあしらったマイカーを指す――。本欄でそう書いてから4年。トヨタグループが今月、ある人気作品の「公式痛車」を発売した。

▼アニメ「ガールズ&パンツァー」は、茨城県大洗町を舞台に架空の女子高の日々を描く。ここに登場する生徒の姿がドアやボンネットにずらりと並ぶ。カーナビには主人公の声を採用。マニアのひそかな遊びが各地での集会を通じて広がり、大手企業を動かした。発売初日、予約サイトは希望者殺到でダウンしたそうだ。

▼自動車のデザインは表面の細かい凹凸まで気を払い完成に至る。派手なアニメ絵はそうした努力を否定しかねない。「賛否両論ある楽しみ方だとは分かっている」と、今回の試みの担当者も認める。アニメを入り口に、車への関心が薄れる若い男性を振り向かせたい。そうしたそろばん勘定もあるが、それだけではない。

▼痛車を街で乗るにはいささかの勇気がいる。仲間には尊敬される。同好の士を誘えば友達も増える。「車で人がつながる手伝いをしたい」という思いも、難しい企画を進める動機になったそうだ。所有する喜びから仲間をつくる道具へ、モノの価値や意味が変わりつつある。公式痛車も、そんな流れの一つかもしれない。

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