春秋

2013/1/27付
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最近の若い人たちに対し、海外に関心を持たず内向き志向だ、競争を避けのんびり主義だと非難する言葉をときどき聞く。本当だろうか。米国系コンサルティング会社の日本支社で採用担当を務めた伊賀泰代さんが近著「採用基準」で、就活学生の変化を記している。

▼就職活動前にインターンとして職場を体験する学生は多い。難関大学の学生が、老舗企業ではなく外資系や新興企業で働くこともある。ここで「劇的に変わる」人が目立つという。原因は日本で働くアジア人たちの姿だ。日・英・母国語を操り、優秀でリーダーシップもある。わが身を省み、危機感が一段の飛躍を生む。

▼あるファッション誌の開いたイベントでは、読者兼モデルとして編集に参加する女子大学生がこんな体験談を話した。雑誌の企画で訪れた韓国とシンガポールで、同世代の遊び方の勢いに驚いた。洗練された装いで、一流店を堂々と使いこなす。東京ももっと元気にならないと彼らに取り残される。そう実感したそうだ。

▼途上国を「助けてあげよう」とボランティアで訪れた学生が、地元学生の英語力と責任感に圧倒され帰国した。こうした例をよく聞く。国内では名門。流行の先端。だからアジアの中心で世界でもトップ級、とはいかない時代だ。そう実感する機会を大人が用意するだけでも、やる気に火がつく若者は多いのではないか。

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