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紅の党 朝日新聞中国総局著

中国の闇に迫る渾身の取材

(朝日新聞出版・1300円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

「裸官」という言葉が今の中国にはあるらしい。家族を欧米にすまわせ、ひとり中国にのこりはたらく官僚のことを、そうよぶのだという。単身赴任の逆である。

家族に欧米の自由をあじわわせたいというだけでもないらしい。自分は、特権的な官僚として、甘い汁をすっている。表にはだしづらい資産も、たくわえてきた。だが、共産党の政治闘争で、いつそれがとがめられるか、不安でしようがない。だから、いざという時の亡命先を、欧米にたもっておく。「裸官」たちには、そういう政治上の保険めいた思惑もあるという。

愛国心をあおる共産党だが、党幹部には亡国的な保身にはしる者もいるということか。そして、この本はそんな共産党の闇にせまる、現地報告の読みものである。薄熙来とその妻や、習近平の姉夫妻らがかかえる暗い部分にせまる。朝日新聞の記者たちが、足でかせいだ渾身(こんしん)のノンフィクションである。

よく、こんなことをしらべたな。どうやって、こんな裏情報をひきだしたんだ。と、そう随処(ずいしょ)で思う。大学づとめの政治学者や社会学者に、この取材力はない。新聞の力に、あらためて脱帽する。

★★★★★

(風俗史家 井上章一)

[日本経済新聞夕刊2013年1月16日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

紅の党 習近平体制誕生の内幕

著者:朝日新聞中国総局.
出版:朝日新聞出版
価格:1,365円(税込み)

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