2019年3月26日(火)

公共事業頼みの経済対策で終わらせるな

2013/1/12付
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政府が事業規模20兆円を超える緊急経済対策をまとめた。停滞が続く景気を下支えし、日本経済の再生につなげるのが狙いだ。実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果は2%程度を見込む。

企業の設備投資や研究開発を促す施策には意味がある。だが防災などの名を借りた旧来型の公共事業が多いのは気になる。一時的なカンフル剤だけに頼らず、本格的な成長戦略を急ぐべきだ。

今回の経済対策は(1)復興・防災(2)成長による富の創出(3)暮らしの安心・地域活性化――という3本の柱で構成する。これらの財政支出を盛り込んだ13.1兆円の2012年度補正予算案を編成し、5.2兆円の国債を増発する。

今の日本が重視すべきなのは、新たな産業や技術の育成につながる施策だ。電気自動車の普及に欠かせない充電拠点の整備や、iPS細胞を使った再生医療研究に予算を投じるのは理解できる。設備投資や給与を増やす企業を税制面で支援するのもいいだろう。

問題は国費の半分を占める公共事業の妥当性である。東日本大震災からの復興や老朽化したインフラの更新に一定の投資が必要なのは確かだが、不要不急の事業も紛れ込んでいるようにみえる。

補修や耐震強化を急いだ方がいい道路、橋、学校などをしっかりと選別できるのか。農林水産業や地域経済の活性化に、これだけの予算が本当に要るのか。そんな疑問を抱かずにはいられない。

70~74歳の医療費の窓口負担割合を本来の2割に引き上げず、1割に据え置く予算を計上したのも納得できない。「これが経済対策か」と首をかしげたくなるような経費もあちこちにみられる。

今夏の参院選に勝ちたい自民・公明両党や、民主党政権下で予算を削減された中央省庁が、無駄な支出を膨らませるのでは財政規律を保てない。これでは13年度予算案の中身まで心配になる。

成長と財政再建の両立なくして、真の経済再生はおぼつかない。安倍政権は14年度からの消費増税をあてにするだけでなく、歳出の抑制にも本腰を入れるべきだ。

公共事業には景気対策としての即効性はあっても、持続力は乏しい。日本経済の成長力を高めるには、企業や個人の活力を引き出す環境づくりが欠かせない。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加や法人税減税を柱とする成長戦略を早急に打ち出してほしい。

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