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いつか見たしあわせ 勢古浩爾著

働きびとは、最も幸福?

(草思社・1400円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

日々の暮らしの楽しさのあり方や「幸福」について語った本である。

著者の紹介によるとカール・ヒルティは次のように言っている。

「我を忘れて自分の仕事に完全に没頭することのできる働きびとは、最も幸福である」と。全く同感だ。

バートランド・ラッセルは「仕事は、何をすべきかを決定する必要なしに一日のかなり多くの時間を満たしてくれる」。そして休日になったとき「それがずっと楽しいものになる」と記しているそうだ。なるほど。

ところで「ラッセルは四度結婚している」とのことだが、あまり羨ましくない。

著者はさまざまな幸福(論)や、暮らしの「楽しさ」を紹介しているが、自らの子供時代を回想し「もしあるとしたら、『しあわせ』は過去のなかにしかない」としている。最後に「顔の筋肉ひとつ動かせない」ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者の「明るい」日々について語る。「人間はこんな所まで行くことができるのか」と驚嘆しつつ。

自己啓発本もよいが、たまにはこのような本も。ちなみに評者の幸福はやはりよい本と出合った時である。

★★★★

(福井県立大学地域経済研究所所長 中沢孝夫)

[日本経済新聞夕刊2012年11月21日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

いつか見たしあわせ: 市井の幸福論

著者:勢古 浩爾.
出版:草思社
価格:1,470円(税込み)

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