2019年1月17日(木)

与野党は懸案処理し選挙の環境整えよ

2012/10/30付
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第181臨時国会が召集され、野田佳彦首相が衆院本会議で所信表明演説をした。首相は「いかなる政権でも特例公債なしで今の財政を運営することはできない」と述べ、赤字国債発行法案の成立に向け野党に協力を呼びかけた。

今国会は赤字国債法案に加え、衆院の1票の格差を是正するための「0増5減」法案を成立させるなどして、衆院解散・総選挙に向けた環境整備を進められるかが焦点となる。

ここにきて首相をめぐる状況は一段と厳しさを増している。野田政権で初の国政選挙となった衆院鹿児島3区の補欠選挙では、民主党が推薦した国民新党新人が自民党元職に敗れた。本紙とテレビ東京の最新の世論調査で、内閣支持率は9月の前回調査から13ポイント急落して20%まで落ち込んでいる。

所信表明演説で首相は日本経済の再生を「現下の最大の課題」と位置付け、日本再生戦略や環太平洋経済連携協定(TPP)などを推進していく考えを表明した。

しかし衆院での与党過半数割れも現実味を帯びるなか、党内で慎重論が強いTPPについては、交渉参加に踏み出せないのが実態だ。首相は新たな離党者がでることを恐れずに、必要な政策に断固として取り組む覚悟が要る。

まず赤字国債発行法案を成立させないことには、どのような経済対策を打ち出しても絵に描いたもちになる。首相が赤字国債法案について「政治的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊を断ちきろう」と訴えたのは当然である。

首相は赤字国債法案を成立させるルールづくりも呼びかけた。自民党など野党側はこれに応じ、解決策を探ってほしい。

最高裁が違憲状態と指摘している1票の格差に関し、首相は定数削減を含む選挙制度改革と合わせて、今国会で結論を出す意向を表明した。各党の利害が対立する定数削減との同時決着を目指す限り、合意に達するのは困難だろう。首相は1票の格差是正を優先して「0増5減」法案を先行処理するよう方針転換すべきである。

参院は前通常国会で可決された首相問責決議のけじめがついていないとして、首相が所信表明演説をする本会議の開催を拒否した。法的拘束力のない問責決議を理由に、所信表明をボイコットするのはおかしい。参院の野党は国会審議に応じて政権を追及するのが筋である。

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