春秋

2012/10/19付
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「睡眠と記憶は脳のなかの別々の神経回路がコントロールしている」。ショウジョウバエを使った実験で熊本大学の研究チームがそんな事実を突きとめた。そう報じる小さな記事に夢想が広がった。「睡眠学習に道を開く」という成果は、どうやらこういうことらしい。

▼目を開けてもつぶっても音は聞こえる。同じように、目覚めていようが眠っていようが記憶の能力に変わりはない。だから、脳のある部分に情報を入力してやれば眠っているのに眠りを妨げられることなくものを覚えられる……。もちろん、一夜明けると知らぬ間に博識になっていた、などというのは遠い将来の話だろう。

▼しかし、知らぬ間に犯人になっていた、というのは現実の問題である。犯罪予告が発信されたパソコンの持ち主4人に誤認逮捕だった可能性が高まり、警察庁長官が謝罪を検討していると語ったという。持ち主が気づかぬまま姿の見えぬ何者かがパソコンを遠隔操作する。巧妙な手口に警察がついていけていない感がある。

▼まず憎むべきは捜査をあざ笑うかのような犯行声明を送ってきた真犯人だ。その鼻っ柱をへし折ってやらねばならぬが、もうひとつ、誤って逮捕されたのに犯行を認めた人がいるのはなぜか。その理由も警察には明らかにしてもらわねばならない。まさか、眠っている間に記憶に犯行を刷り込まれたわけではないのだから。

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