常軌逸した「反日」を許してはならない

2012/9/16付
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日本政府が尖閣諸島を国有化したのを引き金に、常軌を逸した反日的な行動が中国で広がっている。中国に滞在する邦人への暴力、日系企業の工場や店舗に対する襲撃、日本大使館への投石――。

一方で中国当局の船舶が尖閣周辺の日本の領海に一斉に侵入するなど、中国政府の揺さぶりも激しくなっている。

中国では2005年にも反日デモが各地で発生し、しばしば暴徒化した。感情にまかせた違法行為が再び公然と行われたことに、慄然とする。7年前と同様に反日的な活動を容認するかのような中国政府高官の発言にあきれる。

中国当局は違法行為を断固として取り締まるべきだ。共産党政権の指導部は、かねて法治の確立を唱えてきた。反日的な行動への当局の対応を見る限り、どこまで本気なのか疑わざるを得ない。

指導者や政府高官は、国民の反日感情をあおるような言動を慎んでもらいたい。指導部内には、尖閣をめぐって日本に圧力をかける思惑に加え、国内の様々な矛盾から国民の目をそらす狙いや、反日活動が政権批判に転じることへの警戒などがあるのだろう。

だが政治的な思惑を法の支配に優先することは中国のためにならない。何より国民が不幸であり、国際的なイメージもそこなう。

18日が柳条湖事件の81周年に当たることもあり、中国の反日ムードは当面収まりそうにない。これに日本が感情的に反発していては同じレベルに自らをおとしめ、事態を悪くするばかりだ。冷静な対応が求められる。

まず日本政府は、邦人の保護や日本企業の合法的な権益をきちんと守ることを、中国政府に強く要求する必要がある。再犯や模倣犯を防ぐためにも、邦人に危害を加えたり日系企業の施設を破壊したりした犯人の摘発と厳正な処罰を、中国側に求めるべきだ。

中国の海洋監視船6隻が尖閣に近い日本の領海に侵入したのに続いて、中国当局による示威行為は今後も活発になるとみられる。多数の中国の漁船が押し寄せる可能性もある。政府が海上保安庁による警備を強化するのは当然だ。スキのない体制をのぞみたい。

同時に、尖閣は日本の領土だとの基本的な立場をしっかりと内外に打ち出していくことが大切だ。あわせて、日中双方の国民感情がこれ以上沸騰しないよう、中国政府と対応を探ってほしい。

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