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量的緩和の効果を最大限に

米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の第3弾(QE3)に踏み切った。米経済の減速懸念がここにきて強まっていただけに、大胆な政策対応に動くのは理解できる。その効果を最大限に引き出す努力を続けてもらいたい。

FRBは月400億ドル(約3兆1000億円)の住宅ローン担保証券(MBS)を購入することを決めた。総枠や期限を設けない思い切った措置だ。事実上のゼロ金利政策も延長し、少なくとも2015年半ばまでは継続する。

リーマン・ショックの後遺症に悩む米経済の回復力は鈍い。欧州の債務危機や中国経済の減速などが響き、景気が下振れする恐れもある。雇用の十分な改善が見込めるまでは、QE3を続けるというFRBの判断を尊重したい。

バーナンキ議長も認めているように、QE3も万能薬ではない。長期金利の低下余地は乏しく、景気刺激効果には限界がある。だが株価の押し上げなどを通じて、家計や企業の心理を好転させる作用を過小評価すべきではない。

次は政府と議会の番である。大型減税の失効や歳出の強制削減などが重なり、13年から急激な財政引き締めが始まる「財政の崖」を回避しなければならない。

与党・民主党と野党・共和党が11月の大統領選をめぐって鋭く対立し、危機回避の具体策で折り合えないのは問題だ。QE3で米経済を下支えしているうちに、妥協点を早く見いだしてほしい。

問題は大量のマネーが原油や穀物などの価格まで押し上げ、インフレやバブルの温床になりかねない点にある。ガソリンや食品の値上がりが個人消費の足を引っ張り、QE3の効果を相殺しないよう細心の注意を払うべきだ。

QE3は日本にとっても痛しかゆしの面がある。米経済が持ち直せば、日本経済にも恩恵が及ぶが、円高の進行が景気の停滞や産業空洞化の加速を招く恐れもある。急速な円高に歯止めがかからない場合には、市場介入や追加緩和をためらうべきではない。

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