2019年6月26日(水)

スマホ訴訟に日本も備えを

2012/9/1付
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スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などの特許権を侵害されたとして、米アップルが韓国サムスン電子の日本法人などを訴えていた訴訟で東京地裁がアップル側の請求を棄却した。

特許権をめぐる訴訟で双方は世界10カ国で争っており、先週には米連邦地裁がサムスン側に多額の損害賠償を求める陪審評決を下している。最先端技術の開発競争が国際的に先鋭化した表れといえ、日本企業にとっても知的財産戦略の重要性が問われる局面だ。

アップルが日本でサムスンを訴えたのは、パソコンと携帯端末との間で情報を共有する技術と画面表示の技術。今回の判決は前者の訴訟だ。アップルは一部のサムスン製品の販売差し止めの仮処分も申請しており、訴えが認められれば日本で販売ができなくなる。

サムスン製品を扱うNTTドコモなどは「対象は旧機種で被害は少ない」とみるが、予断は禁物だ。サムスンはアップルに電子部品を供給する一方、アップルが「自社の技術を模倣した」という米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を使った端末の販売でアップルを上回る。

今回の訴訟はOSは対象外だが、アップルとグーグルの代理戦争の面もあり、アップルの出方次第でアンドロイド端末をつくる日本メーカーにも影響しかねない。

情報技術分野では過去にも米マイクロソフトのパソコンOS「ウィンドウズ」がアップルの「マッキントッシュ」をまねたとして訴訟になった。その後、経営困難に陥ったアップルをマイクロソフトが救うことで和解が成立したが、現在のアップルとグーグルは携帯端末市場をほぼ二分しており、対立はしばらく続きそうだ。

一連の訴訟のうち、アップルは米国ではデザインも争いの対象にし、陪審員制度により全面勝訴を勝ち取った。一方で韓国の裁判所は「けんか両成敗」を言い渡している。今後の判決を注視し、日本企業も携帯技術の知財管理に力を注がなければならない。

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