江戸の天才数学者 鳴海風著 和算と天文の深いかかわり

2012/8/17付
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(新潮社・1100円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)
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(新潮社・1100円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

 今年は金環日蝕(にっしょく)が話題になった。この秋は『天地明察』の映画が公開される。実は、江戸時代の天文観測は和算と深い関係にある。

 「当時の天文暦学者らが計算したのは、地球を中心とする天球上の月や太陽の位置(中略)だった。完全な円軌道でもないし、等速運動でもなかったので、単純な方程式では表現できない」

 今なら、ニュートンが発見した運動方程式を使ってコンピューターで計算すればよい。だが、江戸時代の日本ではモデル式(自然現象をあらわすための仮の数式)を使うしかなかった。

 『天地明察』は小説も映画も凄(すご)く面白かったが、個人的に、数学の突っ込みの面で不満があった。

 本書の第二章は、科学ファンのそんな不満を解消してくれる。『天地明察』の主人公で、初代天文方として活躍した渋川春海の波瀾(はらん)万丈の人生を描きつつ、和算との深いかかわりを解き明かしてくれる。その他、関孝和、建部賢弘、有馬頼●(ぎょうにんべんに童)など、江戸の天才和算家8人の人生と業績が紹介される。

 和算の本というと、縁遠いイメージだが、天才の伝記ほど面白いものはない。巻末の練習問題もオススメ!

★★★★★

(サイエンス作家 竹内薫)

[日本経済新聞夕刊2012年8月15日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

江戸の天才数学者: 世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)

著者:鳴海 風.
出版:新潮社
価格:1,155円(税込み)

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