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国益を見据えて「決める政治」を進めよ

すったもんだの末、民主党と自民、公明両党が「社会保障と税の一体改革法案の早期成立を期す」ことを再確認した。結果は良しとはいえ、土壇場で政局を混乱させ、有権者の政治への信頼を損なったことには猛省を促したい。

自分はなぜかくかくしかじかの判断をしたのか。官でも民でも説明責任が求められる時代だ。

野党暮らしに飽き飽きした自民党が一日も早い衆院解散を願うのはわかる。だが、自分たちはこんな政策を掲げており、政権交代すれば国はこうよくなる、という大義名分がなければ単なる党利党略にすぎない。

民主党の支持率低迷をみて、政権奪回は当たり前という気分が自民党内には広がっている。国民を甘くみてはいけない。自分本位の行動を続けていれば、第三極からの「既成政党をぶちこわせ」との批判にさらされ、思ったほどの支持は得られまい。

野田佳彦首相は自民党の谷垣禎一総裁、公明党の山口那津男代表とのトップ会談で、何とか事態を収拾した。とはいえ、そこまでの民主党の対応もお粗末だった。

当初は「近い将来、国民に信を問う」との言い回しで谷垣氏の納得を得ようとした。ところが民主党幹部が「『近い将来』には来年8月の任期満了も含まれる」と発言。両党の信頼関係は揺らいだ。結局、「近いうちに信を問う」という玉虫色の表現で折り合った。

どうすれば政治は国民の信頼を取り戻せるのか。国家国民のために必要なことを粛々と進める。それに尽きるだろう。

一体改革法案の処理は手始めにすぎない。国会同意案件である原子力規制委員会の人事案をたなざらしにすれば、同委の9月発足が遅れる事態も予想される。原発の安全確保のための新体制が整わなければ、国民には不安な日々が続くことになる。

赤字国債発行法案、社会保障と税の共通番号制度法案(マイナンバー法案)、衆参両院の1票の格差の是正も放置できない。

次の衆院選ではどの政党も単独で過半数を得られない可能性がかなりある。二大政党が互いの主張をぶつけ合いつつ、妥協点を探るという政治本来の役割がますます重要になる。

「決める政治」を確立できるのか。「最後は国益を見据えて判断する」という共通認識を今からはっきりさせたい。

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