2018年7月23日(月)

最優先すべきは消費増税法案の成立だ

2012/8/7付
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 消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の先行きが不透明になってきた。

 野党第1党の自民党が野田佳彦首相に衆院解散の確約を求め、それを法案成立の条件にする姿勢を鮮明にしたためだ。

 しかし一体改革関連法案は民主、自民、公明3党による修正合意で、衆院を通過した経緯がある。自民党も法案成立に重い責任を負っているはずだ。衆院解散時期をめぐる駆け引きよりも、3党は一体改革関連法案の成立を最優先すべきである。

 関連法案を審議している参院の特別委員会は7日に中央公聴会を終えると、採決する環境が整う。8日の法案成立を求めていた自民党は、解散の言質がない限り、採決に応じない方針に転じた。

 一方、採決の際の造反などを危惧する輿石東幹事長ら民主党執行部は当初、月遅れ盆明けの採決を探っていた。採決を引き延ばす姿勢が自民党に不信感を与えたのは確かであり、いたずらに対立を深めることになった。解散問題が障害になり、採決日程を決められない状況に陥っている。

 消費増税法案に反対している国民の生活が第一などの中小野党7党は採決前に内閣不信任決議案を提出する方針だ。首相が解散を約束しなければ、自民党は独自に内閣不信任案を提出する構えをみせ、参院での首相問責決議案提出も視野に入れている。

 たとえ不信任案が否決されても、自民党が提出した段階で、3党合意は白紙になりかねない。参院では問責決議案が可決され、国会審議が空転する恐れがある。

 増税に反対する生活の小沢一郎代表らと、自民党が結果的に手を組む形になる。有権者の理解は得られず、自民党の評判を落とすだけだろう。公明党の山口那津男代表は「民主も自民も責任を自覚してほしい」と訴え、法案採決前の不信任案提出などに慎重論を唱えている。これが正論である。

 首相と自民党の谷垣禎一総裁は党首会談で、率直に意見交換し、関連法案の成立に万全を期してもらいたい。ここで頓挫することになれば、衆院選後にどのような枠組みの政権ができても、容易に消費増税法案を成立させることはできないだろう。

 法案が不成立の場合、市場の混乱なども懸念される。「決められない政治」に戻ってしまえば、民自公3党はみな敗者である。

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