/

同意人事の報道規制は不要だ

9月に発足する予定の原子力規制委員会の人事の国会への提示が遅れている。政府が先週固めた人事案が日経新聞や読売新聞に掲載されたことを不満として、一部の野党議員が審査を拒否する構えをみせたためだ。

委員長候補が適任かどうか。人物本位で審査して反対の論陣を張るのならば理解できる。規制委メンバーを任命する際に国会の同意を必要とする仕組みにしたのは、広く与野党の意見を聞いた方がよいという理由からだ。

事前報道された案をなぜ認めないのか。「国会審議の形骸化につながる」との弁を聞いても意味がよく分からない。

こんな混乱が起きるのは与野党が2007年に「国会同意人事では事前報道された案は受け付けない」と決めたためだ。野党だった民主党の西岡武夫参院議院運営委員長(のち議長)が強く主張した経緯から西岡ルールと呼ばれる。

政府は国会同意を迅速に得るため、人事案を故意に報道機関に漏らして既成事実化させ、野党を押し切ろうとするものだ――。西岡氏はそう疑ったようだが、今回の騒動をみても事前報道が政府に有利に働くとは限らない。

報道規制を招くおそれのある西岡ルールは直ちに撤廃すべきだ。

報道機関は国民の関心が高い事柄を一刻も早く伝えるべく努力している。故意の情報漏洩がなければ人事案を入手できないと思われては心外だ。事前報道への物言いは筋違いと反論しておく。

規制委人事を巡り与野党は同ルールを適用しないことでいったん合意していた。原子力に詳しい専門家はそう多くなく、下馬評に上がった人をすべて門前払いしたら人材が払底するからだ。一転してルール違反を言い立てる議員が出てきたのはどうしたことか。

規制委人事がなかなか確定せず、原子力発電の安全管理への取り組みが遅れて迷惑するのは国民だ。つまらない体面にこだわって国会議員の職務の本質を見失うようでは困る。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません