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穀物投機の過熱が心配だ

穀物の国際価格が高騰している。シカゴ先物市場では、大豆やトウモロコシが相次ぎ史上最高値を記録した。食糧値上がりの影響は景気にとどまらない。新興国の政情不安や、慢性的な栄養不足に苦しむ飢餓人口の増大につながるだけに警戒が必要だ。

高騰の要因は主要産地の天候異変だ。トウモロコシや大豆の生産で世界最大の米国は深刻な干ばつに見舞われ、凶作だった1988年以来の水準まで作柄見通しが悪化した。小麦の主産地であるロシアの天候も不順だ。

米農務省が今月発表した見通しでは、世界全体の穀物供給は米国の干ばつの影響を織り込んでも足りる。在庫も消費量の2割程度を確保できる見込みだ。

しかし、穀物の高騰が続くと、日本ではめん類や豆腐、肉類まで幅広い商品の価格を押し上げる。商品が値上がりすれば個人消費を冷やす。食品企業などが原料高を転嫁できないと企業収益を圧迫して、景気の下押し要因となる。

さらに経済力の弱い国や、支出に占める食費の割合が高い人は十分な食糧を買えなくなる。2008年の高騰から国連などが繰り返し、指摘してきた問題だ。アジアなどで農業生産性を高めることが急務になっている。

各国政府は当面の対策として、投機資金の動きに警戒を強めるべきだ。シカゴ先物市場ではファンドなどの大豆の買越量が過去最大に膨らみ、トウモロコシも6月上旬に比べ2倍に増えた。

世界景気が減速し、株式や原油相場の動きは鈍った。投機資金は米国の干ばつという材料の出た穀物に向かいやすくなっている。

20カ国・地域(G20)の枠組みでは、各国の監督当局に対し、商品市場の透明性を高めるとともに、投機が過熱した場合などに取引規制の強化を求めている。

食糧は世界の人が生きていくために不可欠なものだ。各国は規制強化が市場の機能を損なわないように注意しながら、適切な対応策を検討してほしい。

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