/

OPEN アンドレ・アガシ著

赤裸々でも残る心の暗さ魅力

薬物使用、ニセモノの髪の装着、女優ブルック・シールズとの結婚と離別の実相。すべては堂々と明かされた。かつてのテニス界の風雲児、アンドレ・アガシの話題の自叙伝には、あからさまに振る舞わなくては落ち着くことのできない内省がこれでもかと綴(つづ)られる。痛々しいまでにオープンでありながら、なお、閉じた心の暗さは消えない。そこが魅力だ。

イランからの米国移民である元ボクサーの父の強制で、幼くしてラケットを握らされ、少年期に収容所のごときアカデミーでテニス漬けとなる。反抗は奇抜なファッションといったスタイルに表現され、そのことでスターに遇されると、たちまち困惑する。「僕自身、アンドレ・アガシになりたくないのだから」。

やがて同業のシュテフィ・グラフと結ばれ平穏を得るのだが、反逆者から模範者への変身という解釈については否定する。「変化などしていない。僕は形づくられたのである」。

アガシ本人が著書にほれて依頼のピュリツァー賞作家が口述を執筆、その力量が「才能の結実と個性の形成」という一代記に滑らかさと深みを与えている。川口由紀子訳。

★★★★

(スポーツライター 藤島大)

[日本経済新聞夕刊2012年7月11日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

OPEN―アンドレ・アガシの自叙伝

著者:アンドレ アガシ.
出版:ベースボールマガジン社
価格:1,995円(税込み)

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン