2019年2月21日(木)

「超小型車」を走らせるには

2012/7/7付
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国土交通省が軽自動車より小さい「超小型車」の認定制度を作り始めた。高齢者でも運転できる定員2人の車で、電気自動車(EV)の普及にも役立てる。超小型車は二酸化炭素の排出削減につながるが、道路交通を混乱させないよう入念な制度設計が必要だ。

自動車の規格には、普通車や小型車、軽自動車などがある。だが最近は高齢者ドライバーの増加に伴い、買い物など近距離の移動だけに使えればいいという車を求める声が高まっている。

こうした需要に応え、日産自動車は仏ルノーの車をもとに開発した超小型EVによる公道走行実験を横浜市などで始めた。国交省は「高速道路走行を禁じれば安全基準も緩和できる」として、新しい認定制度を作ることにした。

国交省の調査では乗用車の走行距離は10キロメートル以内が6割に達する。自家用車の乗員数も1~2人がほとんどで、こうした超小型車の潜在的ニーズは大きいといえよう。欧州でも超小型車の市場ができており、産業振興の観点からも後押しするのは妥当である。

だが実際の利用を促すには解決すべき課題が多い。超小型車でも自動車運転免許が必要だが、免許を更新しなかった高齢者でも新たに取得できる免許制度が求められる。安全基準や保険、車検制度なども、超小型車に合わせた制度を作るべきだろう。

街の駐車場との調和も重要だ。超小型車なら乗用車のスペースで2台置ける。効率のよい駐車区画をどう設計するか、充電設備とも合わせて見直す必要がある。

日本には軽自動車という独自の規格がある。車体サイズが大きくなる一方、税制面で優遇措置があることから、海外メーカーからは非関税障壁ともみられている。新規格は外国企業も参入しやすい開かれた制度とすべきだ。

超小型車は自家用だけでなく、行政や観光目的、車を共同利用するカーシェアリングなど、新たな用途も期待できる。新市場が広がるような制度を期待したい。

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