2019年3月20日(水)

21世紀の世界文学30冊を読む 都甲幸治著 「ガイブン」の面白さを語る

2012/6/29付
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(新潮社・2000円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

(新潮社・2000円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

外国文学、いわゆるガイブン読者の数は数千、というところだと思うけれど、もったいないな、と感じることがたびたびある。

いまの日本には優秀な翻訳者が多数いるし、その人たちが活発に仕事してくれる御蔭(おかげ)で、読み切れないほどの翻訳小説が刊行されている。それが数千という人々にしか配られていないとしたら不幸なことである。

ただ、面白くて、イキのいい小説を読んでいるときに襲われる感じは、これだけ面白い小説があるのだから、もっともっと面白い小説は書かれているはずだ、という根拠のない確信である。

本書を読むと、それが思い過ごしではなかったことがわかる。ジュノ・ディアス、ミランダ・ジュライ、ロベルト・ボラーニョ、ドン・デリーロ、J・M・クッツェー、デニス・ジョンソン等など。いずれも手練(てだ)れの小説家たちが書いた作品の中で、どの小説が面白いか、それはなぜか。面白さをギュッと圧縮して、都甲は語る。

都甲幸治の名をたかからしめたのは、ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄(すさ)まじい人生』だと思うが、そのディアスの訳し下ろしの短編も収録。

(批評家 陣野俊史)

★★★★

[日本経済新聞夕刊2012年6月27日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

21世紀の世界文学30冊を読む

著者:都甲 幸治.
出版:新潮社
価格:2,100円(税込み)

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