2018年2月20日(火)

「決める政治」の道筋を示した3党連携

2012/6/27付
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 「決める政治」への一歩として評価したい。社会保障と税の一体改革関連法案が衆院で可決された。民主、自民、公明の主要3党が無用ないがみ合いをやめれば政治は動く。それが分かったことが一番大きい。

 古今東西を見渡して増税が好きな国民はまずいない。1979年に一般消費税導入に失敗した大平正芳首相をはじめとして、税の歴史には討ち死にした政治家の死屍(しし)累々である。

 消費税率を5%に引き上げてから15年。自民党政権も民主党政権もさらなる引き上げは避けがたいと内心思いつつ、難題を先送りしてきた。自身の安泰のみを願う国会議員の利己的な姿は国民の政治への信頼を大きく損なった。

 厳しい選択を迫られたギリシャをみて、下手をすればあすは我が身と感じなかったか。苦い薬も飲まなくてはならないときがある。日本政治も転機を迎えるべきだ。

 自民党の谷垣禎一総裁は民自公の3党が直ちに大連立することには否定的だ。来年9月までに次期衆院選があることを考えれば第1党と第2党が争いつつ政権をともにするのは簡単ではないだろう。

 だからといって民自公3党に今回生まれた連携の機運をこれきりにしてしまうのはもったいない。

 3党合意で宿題となった社会保障分野の抜本改革に加え、赤字国債発行法案の処理や補正予算案の編成など3党がよく話し合えばよりよい結論が得られる案件がまだまだある。違憲状態が続く衆院の1票の格差の是正も急務だ。

 次期衆院選までに解決すべき懸案は何か、与野党が入れ替わってもやるべき中長期の課題は何か。3党が政策協議を続け、合意した案件は迅速に処理する「部分連合」のような形はあってよい。

 残念なのは一体改革法案の採決で民主党から大量の造反者が出たことだ。基本政策で立場が異なるならば別々の道を行くしかない。反対票を投じた議員はあらかじめ離党しておくのが筋だった。

 造反を主導した小沢一郎元代表らは当面は党にとどまる意向のようだ。輿石東幹事長は「党の分裂は避けたい」としているが、割れた器をいくら繕っても水漏れするばかりだ。

 野田佳彦首相は「厳正な処分」を明言した。除名を排除すべきではない。ここで腰砕けになってはせっかく衆院を通過した法案の参院での審議もおぼつかない。

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