2019年1月18日(金)

問責攻防はもううんざりだ

2012/4/21付
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またか、とため息をつきたくなる。前田武志国土交通相と田中直紀防衛相への問責決議が野党多数の参院で可決された。民主党政権になって問責された閣僚はこれで6人になった。

お粗末な閣僚が後を絶たない民主党の人材不足にあきれる一方、それをいちいち政争の駆け引き材料にする自民党のやり方にも違和感を禁じ得ない。有権者の政治不信を高める不毛な「問責攻防」にはもううんざりだ。

15日の岐阜県下呂市長選に先立ち地元の建設業協会幹部に送られた民主党系候補への応援要請文書には、前田国交相の署名があった。これは公職選挙法が禁じる事前運動や、公務員の地位利用に抵触する可能性がある。

田中防衛相の国会答弁は立ち往生続きだ。安全保障のイロハを理解しているかどうかもあやしく、国の守りを任せてよいのか不安だ。民主党政権はもっと早く手を打てたはずだ。任命権者の野田佳彦首相には猛省してもらわねばなるまい。

特に防衛相は昨年12月に当時の一川保夫氏が問責されたばかりである。党内秩序を最優先した順送り人事で波立つ東アジア情勢に対応できるのか。首相は閣僚人事にもっと指導力を発揮すべきだ。

だからといって一気に閣僚問責へと突っ走った自民党に味方する気にもなれない。首相の解散権が及ばない参院での問責に法的根拠はない。問責すれば審議拒否が正当化され、閣僚が辞任に追い込まれてきたのは慣例にすぎない。

切り札はやむにやまれず切るから意味があるのであって、日常茶飯事になれば切れ味は鈍る。現に2閣僚辞任まで衆参両院のすべての審議に応じないという自民党の方針には、党内外に異論がある。審議拒否ありきでは困る。

政権交代時代を迎え、与野党の立場はいつ入れ替わってもおかしくない。国会攻防を論戦本位にするにはどうしたらよいのか。新しいルールづくりに取り組んでもよい頃だ。

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