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美しい入水「体が覚えてる」 水泳飛び込み・坂井丞(上)

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2011/6/27付
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宙高く舞った体が、降りながら真っすぐに伸び、水面へ消えていく。短い「バッ」という音とともに小さな泡の輪が余韻を帯びながら浮かぶ。日体大1年、坂井丞(18)の演技は、水泳の飛び込み競技になじみの薄い人も引きつける美しさを放っている。

飛び込みコーチの両親の下に生まれた申し子は「高さを作ること」を心がける

飛び込みコーチの両親の下に生まれた申し子は「高さを作ること」を心がける

■いつから水に飛び込んだのか

日体大の飛び込みコーチを両親に生まれたサラブレッド。親に連れ添い遊びに行けば、向かう先は自然と大学の飛び込みプールだった。いつから水に飛び込んだのか、本人の記憶は定かでない。

浮輪をつけた幼子の坂井が大人のマネをしてプールサイドから飛んでいる映像なら残っている。母親の由美子(49)は坂井をお腹に宿しつつ飛び込んでいたというから、「丞のキャリアは18年」という冗談もあながちウソではない。

はっきり覚えているのは小学5年の時、初めて全国大会で優勝した喜び。中学2年で世界ジュニアの舞台に立ち、2010年に板・高飛び込みの2冠で日本選手権を初めて制した。高校総体も3年連続で板・高飛びの2冠。若くして第一人者となり、今年7月、2度目の世界選手権に臨む。

■空気と水しぶきを押さえ込む

物体が水面にぶつかれば水しぶきが上がる。だが、坂井の飛び込みはほとんど水しぶきを上げない。両腕を伸ばして手のひらを組み、内側に絞りつつ水を突く。突いた瞬間、腕を左右に解き放ち、空気と水しぶきを水中へ抑え込む。「ノースプラッシュ」と称される入水技術だ。

さらに完璧な入水は「リップクリーンエントリー」。両唇をはじくような「ポッ」という音だけが聞こえ、王冠状の水泡が遅れてゴボゴボと立ち上がるだけ。しぶきとともに音も水面下へとしまい込む。時速50キロ近くのスピードで水面に衝突しつつこれを決められるのは、日本では坂井ら一握りしかいない。

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