「進化論」を書き換える 池田清彦著 構造から見直す生物学

2011/4/29付
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(新潮社・1400円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)
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(新潮社・1400円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

 著者は長年、進化論の定説であるネオダーウィニズムを批判し続けてきた、科学界の論客。著者が提唱する構造主義生物学は、生物学をシステムもしくは「構造」の観点から再構築する試みのように思われる。生物学における発想の転換を迫っているのだ。

 「ダーウィンといえども時に間違える。当たり前の話だ。何も主張しなければ間違えることもない。それでは学問をやっている意味がない」

 進化論の歴史から始まる本書は、これまでの定説を批判的に考察し、種の中の小さな進化は説明できるが、種の枠組みを超えるような大きな進化は説明できないことを指摘する。

 「遺伝子はシステムを動かす記号であって、究極原因ではない(中略)多くの遺伝子たちは単独では意味をもたず、他の遺伝子たちと組み合わさって、はじめて意味をもつのだと思う」

 よく、ある病気や人間の性向を1つの遺伝子で説明しようとする試みがあるが、それは大きな誤解だという。

 遺伝子の使い方を制御するシステムこそが進化の要だ、という著者の論旨には説得力がある。進化論の入門に最適な好著だ。

★★★★★

(サイエンスライター 竹内薫)

[日本経済新聞夕刊2011年4月27日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

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