2019年1月21日(月)

大学の数、世界トップクラス 進学率も上昇 課題は質

2011/2/21付
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日本の大学数は778校。米国(2629校)に次ぐ規模で、韓国(407校)、ドイツ(370校)、英国(167校)、フランス(94校)を大きく上回る。学校制度が異なるため単純比較はできないが、"量"だけみれば世界トップクラスの高等教育大国といえる。

しかし"質"の国際比較になると日本は劣勢だ。イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が出した大学ランキングの上位は米国や英国の大学で占められる。

社会・人文科学は50位にも入らず

東京大学は物理学でアジア首位だがそれでも世界では19位。東大の工学は22位で中国や香港の大学の後じんを拝し、社会科学や人文科学ではトップ50にも入っていない。

日本に本格的な総合大学ができたのは明治維新の後。1872年に明治政府が教育法令「学制」を公布し、「大学ハ高尚ノ諸学ヲ教ル専門科ノ学校」と定義。1877年、日本で最初の大学となる東大が法、理、文、医の4学部で発足した。

当初官立のみだった大学は、大正期に公立、私立の大学も認められ、慶応や早稲田も正式な大学になった。終戦直前には48校となった。それでも、大学進学者は一握り。1945年度の旧制大学の学生は約7万6千人にとどまっていた。

戦後、文部省は高等教育の門戸を広くすることに方針転換。女性の大学進学を後押しするなどした結果、50年度の大学数は201校と急増し、今日に至るまで右肩上がりが続いている。

記録のある54年度に7.9%だった大学進学率は、2002年度に40.5%。10年度は50.9%で過去最高を更新した。2人に1人が大学に進学する時代を迎え、在籍する大学生は約256万人に達している。

ただ、日本の大学進学率が世界で際立って高いというわけではない。経済協力開発機構(OECD)の調査では、韓国が71%、米国が64%。日本はOECD平均(56%)よりも低いため、今後もさらに進学率が高まる可能性がある。

就職の間口は狭く

大学進学率が上昇するにつれ、就職の間口は狭くなった。リクルートの調査によると、87年3月卒は求人約61万人に対し、就職希望者は約26万人。ところが11年3月卒となると求人が約58万人とほとんど変わらないのに、就職希望者は約46万人。大学生が増えた分だけ、狭き門となっている。

一方で定員割れの大学も続出し、2000年代前半から再編の動きが活発化。08年度には慶応大と共立薬科大が、09年度には関西学院大と聖和大が統合し、10年度にはLEC東京リーガルマインド大学など5大学が募集停止した。

18歳人口は今後10年、120万人前後で推移した後、減少に転じる。さらに進学率が上昇したとしても、長期的には大学の淘汰が進みそうだ。

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