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おしまいのデート 瀬尾まいこ著

変わったコンビの奥深いドラマ

デート小説集だが、どんなコンビがこの本の中でデートするのかは帯に明記されている。

(集英社・1200円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

「親の離婚後、月に一回外で会うようになった孫と祖父」「元不良の教え子と定年間近の老教師」「ほとんど話したことがない同じクラスの男子同士」「捨て犬を見つけてしまった、OLと大学生」「保育士と手のかかる園児、そしてその父親」

ようするに、ちょっと変わった二人である。なぜこれらのコンビがデートするようになったのかというドラマも語られて、それももちろん興味深いけれど、その奥にもう一つのドラマを用意しているのが瀬尾まいこの秀逸なところだ。

たとえば、「ほとんど話したことがない同じクラスの男子同士」のデートを描く「ファーストラブ」を読んでみよう。高校生の広田は同級生の宝田くんから「今度の日曜日、暇?」とある日突然デートに誘われて映画を観に行くことになるのだが、なぜ宝田くんが誘ってきたのか、それが徐々に明らかになっていく構成がいい。そしてラストにもう一つドラマをつけることで物語の余韻が生まれていることに留意。相変わらず、瀬尾まいこはうまい。

★★★★

(文芸評論家 北上次郎)

[日本経済新聞夕刊2011年2月9日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

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