若手英語教員 米に半年派遣 「内向き」打破、教える側から 「生きた言葉」指導力向上、文科省など

2011/1/17付
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英語を教える日本人教員の力量を高めようと、文部科学省と外務省は来年度から、20~30代の若手教員100人を米国の大学に半年間派遣する事業を始める。英語の効果的な教え方を学ぶほか、ホームステイを通じてコミュニケーション能力も磨く。日本人留学生の減少が問題になる中、教員が率先して海外に飛び出し、若者の「内向き志向」の打破につなげたい考えだ。

派遣するのは国公私立中学校の英語担当教員が中心で、英語の教員免許を持っていれば小学校や高校の教員も対象にする。文科省がこのほど、全国の都道府県などに対して意欲のある教員を推薦するよう通知した。

派遣期間は今年夏から来年初めごろまで。大学やホームステイ先は、国が事業を委託する団体が探す。交通費や大学の受講料、滞在費は国が全額負担する。来年度予算案に計5億円を計上した。

大学では、英語を母語としない児童・生徒にも分かりやすい教授法やノウハウなどを学ぶ。現地の学生や教員、ホストファミリーとの交流を通じ、生きた英語表現を身に付けるほか、米国文化への理解も深める。

帰国後は他の教員に学んだ内容を伝えるなど、地域の英語教育向上に取り組むリーダーになってもらう。文科省は推薦を依頼した自治体には、派遣の成果を生かす具体的な計画も示すよう求めている。

文科省はグローバル時代に対応し、英語教育の充実に取り組んでいる。中学校では2012年度から実施される新学習指導要領で、英語の授業が現行の週3コマから4コマに増加。学ぶ語彙も3割増えるほか、会話と読み書きのバランスを重視した指導をする。

一方で、教員の英語力の不足を指摘する声は根強い。文科省によると、08年度時点で公立中学校の英語教員約2万8千人のうち、英語検定などの外部試験を受けた経験があるのは58%、通常の英会話を十分理解できるレベルである「英検準1級」以上などの資格を取得できた割合は全体の24%にとどまっていた。

また、10年度に公立高校の英語教員約2万4千人を対象にした調査でも外部試験経験率は69%、英検準1級以上などの有資格者は49%どまりだった。

文科省によると、全国の都道府県や政令指定都市のうち公立学校の英語教員の採用試験で実技を課しているのは中学校で97%、高校で77%。英語での面接やスピーチを課す例が多い。ただ、採用後は校務などで多忙となり研さんの機会が減ることから、文科省は研修などを通じて教員の英語力を一段と高める必要があるとみている。

東京外国語大大学院の根岸雅史教授(英語教育学)は「派遣人数をもっと増やすことが先決だが、既に英語力が高い教員を派遣しても効果は限られる。教師として指導力はあるものの語学力が伸び悩んでいるといった教員を選ぶなど工夫が必要だ」と指摘している。

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