2019年9月18日(水)

宇宙予算「増やすべき」40% クイックサーベイ
有人飛行も支持多数

2010/6/28付
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小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡的な帰還や、国際宇宙ステーションでの日本人飛行士の長期滞在など、宇宙を巡る話題が目立つ。日本の宇宙開発の水準が世界に肩を並べるところまで来た一方で、自前の有人宇宙開発に乗り出すかどうかなど、今後については模索が続いている。

宇宙開発の常道はロケットや衛星の自主開発を経て、自前の宇宙船で飛行士を宇宙に送ることだ。その中で惑星探査のような科学活動や、偵察衛星のような安全保障の分野にも目を配る。米国やロシア、中国はこうした道筋をたどっており、インドもそれにならっている。

ところが、日本はユニークな道を歩んできた。有人宇宙開発は行わず、米スペースシャトルや国際宇宙ステーションに依存してきた。また、2003年に初の情報収集衛星を打ち上げるまでは、宇宙開発を安全保障に活用することに慎重だった。

中国は03年以降、延べ6人の飛行士を宇宙に送っている。日本と中国は1970年に人工衛星を打ち上げ、この時点では肩を並べていた。40年たち、日本は安全保障の分野を含め、中国に宇宙開発で水を空けられつつある。

アンケートで日本の宇宙開発で評価できるプロジェクトを聞いたところ、「無人宇宙探査機の活動」(57%)、「国際宇宙ステーションへの日本人送り込み」(38%)、「通信衛星や気象衛星の運用」(31%)の順に多かった。

有人宇宙開発の予行演習である「宇宙ステーション」や、宇宙開発における「すきまビジネス」的な位置づけの無人宇宙探査が上位に並んでいるのは、日本の宇宙開発の置かれたユニークな状況を象徴している。

アンケートでは宇宙開発を今以上に進めるべきだと考える人が多かった半面、予算については大幅に増やすべきではないという意見が目立った。現在の年間の宇宙開発予算は3390億円。安全保障への目配りを含め、日本の宇宙開発を「世界の常識」に近づけるため、国民的な議論を経て、テーマの戦略的な絞り込みが必要となりそうだ。

(編集委員 吉川和輝)

調査方法 調査会社マイボイスコムを通じ、18~21日に20~60歳代の男女1000人にインターネットで聞いた。
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