成長促進へ新貸出制度
銀行向け環境融資など支援 物価、来年度プラスに

2010/5/1付
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日銀は30日の政策委員会・金融政策決定会合で、成長基盤の強化を促す新たな貸出制度の創設を決めた。企業の環境・エネルギー関連事業や研究・技術開発に融資する金融機関を対象に、低利の資金を供給する見通しだ。6月に新成長戦略を策定する政府と連携し、日本経済の底上げを目指す。同日発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2011年度の消費者物価上昇率の見通しをマイナス0.2%からプラス0.1%に上方修正した。

同日の会合では、政策金利を年0.1%に据え置くことも全員一致で決めた。新たな貸出制度の骨子は早ければ5月中にまとめる方針だ。

日銀が想定しているのは、企業にリスクマネーを供給する金融機関への貸出制度。白川方明総裁は同日の記者会見で「イノベーション(技術革新)を促進するような研究開発、科学技術の振興、成長分野として期待される環境・エネルギー事業などが対象となる」と述べた。

日銀内では政策金利並みの低利で、期間3カ月を超える長めの資金を貸し出す案が浮上している。新制度を通じた貸し出しの残高には、数値目標を設けない見通しだ。

日銀は08年12月から、現在の超低金利政策を継続。国債などを担保に期間3カ月の資金を0.1%の低利で金融機関に供給する「新型オペ(公開市場操作)」も導入した。だが金融機関に資金を供給しても、企業や個人への融資が増えないのが問題になっていた。

日銀は新制度の導入で、成長分野に資金が流れやすくなるとみている。政府も新成長戦略を策定中で、白川総裁は「そうした動きに弾みをつけたい」と強調した。

一方、中央銀行が資金使途を限定した貸出制度に踏み込むのは難しいとの声も出ている。今後の設計や実効性に課題が残りそうだ。

半年に1度まとめる展望リポートでは、総裁・副総裁を含む8人の政策委員の見通しの中央値として、11年度に物価上昇率がプラスに転じると予想した。白川総裁は「デフレ(物価の持続的な下落)からの脱却に向けて、日本経済は着実に歩を進めている」と語った。

ただ小幅のマイナス見通しを示す政策委員も複数いたとみられる。日銀が「望ましい上昇率」とする1%程度にも及ばない見通しだ。実質経済成長率は10年度が1.8%、11年度が2.0%と予測した。

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