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政権交代の成果みえぬ鳩山内閣の半年

「政と官」の新たな関係を模索しながらも、期待された成果にはほど遠い6カ月だった。

鳩山内閣は16日で発足から半年を迎えた。昨年夏の衆院選での民主党の圧勝は、政権交代への期待の大きさをうかがわせた。しかし予算の組み替えや行政のムダ削減、外交政策などを通じて鳩山由紀夫首相の指導力はかすみがちである。

有権者のいら立ちは支持率の急落ぶりに表れている。本社の世論調査での鳩山内閣の支持率は発足直後は75%に達したものの、2月末時点で43%まで下がった。民主党の支持率も低下傾向にある。

「政治とカネ」の問題をめぐり、首相や小沢一郎幹事長の元秘書らが相次いで刑事責任を問われた影響が大きい。ただ期待が失望に変わりつつある最大の要因は「何を目指す政権なのか」が見えにくくなっているためではないか。

衆院では近く政治主導確立法案の審議が始まる。内閣官房にある国家戦略室を局に格上げし、行政刷新会議税制調査会の法的根拠を明確にする。副大臣や政務官、首相補佐官らの増員に向けた関連法案とあわせて早期成立を目指している。

「官僚依存からの脱却」という看板に沿って、首相官邸を中心とした一元的な政策づくりを目指す方向は評価できる。しかし体制の見直しだけで難しい改革を実現できるわけではない。

鳩山内閣は発足時に首相直属の経済財政諮問会議を廃止した。同会議は閣僚が日本銀行や民間人を交えて重点戦略を考えるプロセスが有効に機能した時期もあったが、現状では政策立案の司令塔がどこなのかさえよく分からない。国家戦略局などの役割の拡充を急ぐ必要がある。

子ども手当、高校の無償化といった衆院選の政権公約の実現には恒久的な財源が不可欠であり、重点政策の絞り込みは避けて通れない。経済を持続的に成長させていくための戦略や危機的な財政状況をどう再建していくかという方向もきちんと明示する必要がある。

外交では日米の「核密約」の調査報告で一定の成果をあげた。だが米軍普天間基地の移設問題は迷走が続き、日米間の信頼をいたずらに損ねた面がある。日本の安全をいかに守っていくのか、総合的な外交戦略は不明確なままである。

鳩山政権にとって最大の関門となる夏の参院選が近づいている。民主党はこの半年で浮かび上がった様々な課題にどう対応していくのかを説明する責任がある。

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