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中国、送電網に50兆円 2010~20年

風力や太陽光、次世代技術で促進 日米企業に商機

【北京=多部田俊輔】中国政府は2020年までに、IT(情報技術)を使って電力を効率的に供給する次世代送電網「スマートグリッド」を活用した電力供給体制の整備に4兆元(約50兆円)規模を投ずる方向で検討を始めた。中国では電力需要増への対応と温暖化ガス削減の両立が課題。ITの活用で風力など新エネルギーの利用を増やす。中国は先進技術を求めており、日本や欧米企業にも商機が広がりそうだ。

温家宝首相は開会中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府活動報告で初めて「智能電網(スマートグリッド)」に言及。「整備を強化する」と宣言した。

電力政策を統括する国家エネルギー局が、国内の大半の地域の送電を手掛ける国有企業、国家電網などと協力し整備を進める。11~15年の次期5カ年計画の主要事業と位置づけ、建設費の大部分は政府が負担する。

国家電網の素案によると、11~15年で2兆元、16~20年にも1兆7000億元の投資を計画。風力や太陽光などを利用した発電所建設に適した北部・内陸部と、製造業の拠点が集積する南部や沿海部を結ぶ超高圧送電網を構築する。

通信機能を活用し送電網内の電力の過不足を瞬時に把握、需給変化に合わせて、発電量や電力供給の流れを調整できるようにする。10年は準備段階として天津市、南京市(江蘇省)などで研究施設の開設や送電網の実験などを実施、2000億元超を投じる。

中国では経済発展に伴い電力需要も増加。夏季には電力不足が恒常化している。09年の電力消費は08年比6%増の3兆6430億キロワット時へ増えた。政府は温暖化ガス増加につながる火力発電所の建設をできるだけ抑制し新エネルギーの発電能力に占める比率を現在の2%から20年には10%以上に引き上げる方針だ。

だが、出力が不安定な新エネルギーを送電網に組み込むことで停電が発生するリスクを警戒。「太陽光発電の半分以上、風力発電の3割以上が送電網と未接続」(国家電網幹部)という。IT活用で導入推進を狙う。

設備調達では国家電網は国内企業を優先する方針だが、先進技術は海外企業からの導入も検討する。米IBMはこのほど国家電網と新しい電力管理システムの共同開発を開始。米ゼネラル・エレクトリック(GE)は揚州市(江蘇省)でスマートグリッドの共同開発に着手する。富士電機ホールディングスはスマートグリッド向けの新製品開発などで浙江大学と提携する。

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