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(4)沖縄原状回復 負担肩代わりへ書簡

これは沖縄返還交渉の最終局面で、沖縄返還協定(1971年6月調印)に基づき、米側が負担するはずの土地の原状回復補償費400万ドルを、日本側が肩代わりする密約が交わされたのではないかというものだ。

沖縄返還協定に盛り込まれた日本側負担は当初、3億ドルだったが、最終的に3億2000万ドルに上積みされた。この増額分を原状回復補償費400万ドルと、アメリカの声(VOA)の中継局移転経費1600万ドルに充てることで日米が合意していたとされる。

この秘密合意は当時の吉野文六・外務省アメリカ局長とスナイダー駐日米公使が「議論の要約」(71年6月12日付)という文書にまとめ、交換したといわれてきた。吉野氏も昨年12月、この密約文書の存否が争われている東京地裁での訴訟の証人尋問で、文書が存在し、自分がイニシャルを記入したことを認めた。

だが、今回の外務省の調査では「議論の要約」は発見されず、この文書の存在は確認できなかった。その一方で、原状回復補償費400万ドルを「日本が負担する」とした不公表書簡を愛知揆一外相名で出すよう、米側が強く要求していたことが判明した。この書簡は出されなかったが、日米は最終的に日本側負担の3億2000万ドルから400万ドルを手当てすることで事実上、折り合った――。有識者委員会はこんな判断を下した。

その根拠は愛知外相が米側にあてた秘密書簡だ。愛知氏はこの中で「米政府が自発的に支払いをするため、(3億2000万ドルの)一括決済額から400万ドルを留保することを了知する」と伝えていたという。こうした調査結果を踏まえて、有識者委は肩代わりに関する「広義の密約」は存在したとしている。

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