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(2)朝鮮半島有事 「議事録」で事前協議省く

この「密約」は1960年の日米安保条約改定時に交わされた。朝鮮半島で緊急事態が起き、在日米軍が戦闘作戦行動をとる場合には、事前協議なしで在日米軍基地から出撃できるとした内容だ。

本来、米軍が日本から戦闘作戦行動に出るときには、日本側と事前協議をすることが義務付けられている。これを例外的に免除する取り決めだ。

この密約の根拠は60年1月に、当時の藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使が交わしたとされる「朝鮮議事録」。今回の調査ではその写しが見つかった。有識者委はこの「朝鮮議事録」について「(日本側が)密約の性格を帯びた文書と認識していた」と結論づけた。

この密約は、米軍に一定のフリーハンドを認め、朝鮮半島有事への迅速な対応を実現するものとして、米側が強く求めていたもようだ。半島有事が起きた際、在日米軍が日本国内の基地を自由に使えるようにして、緊急事態に即応できるようにする狙いがあった。

ただ、69年の沖縄返還交渉で、日本側は密約の解消を探り始める。当時の東郷文彦・外務省アメリカ局長が「朝鮮議事録」の失効を求めていたことも米側文書から判明した。

米側はこうした動きを懸念した。最終的には佐藤栄作首相が演説で、日本からの米軍出撃について事前協議を求められれば、「前向き、速やかに態度を決定する」と表明することで米側の理解を得ようとした。

佐藤首相はこのほか、演説で、半島有事に際しては「事前協議に対し、前向き、かつ速やかに態度を決定する」とも明言。これらと引き換えに、密約の失効をめざした。

有識者委は「朝鮮議事録」の有効性について、最終的に日米で明確な決着がつけられることはなかったと指摘した。そのうえで「事実上、失効したとみてよいだろう」と結論付けている。

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