韓国、官民でリチウムイオン電池を基幹産業に
政府が2020年までの長期計画、人材養成や開発支援

2010/7/14付
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現代自動車のハイブリッド車はLG化学の電池を搭載(今年末に米国で発売する「ソナタ」)

現代自動車のハイブリッド車はLG化学の電池を搭載(今年末に米国で発売する「ソナタ」)

韓国政府は13日、自動車向けバッテリーとして需要急増が見込めるリチウムイオン電池を次世代の基幹産業に育てる2020年までの長期計画をまとめた。研究開発や人材養成などを通じ業界を支援し、官民一体で受注拡大に取り組む。サムスンSDIやLG化学は既に世界市場で高シェアを確保しており、政府支援を得ることで日本勢との競合が激しくなりそうだ。

同日開いた政府のグリーン成長委員会でチェ・ギョンファン知識経済相が李明博(イ・ミョンバク)大統領に計画の概要を伝えた。李大統領はリチウムイオン電池など新エネルギー分野に関し「我々の技術で世界市場に挑まねばならない」と強調した。

政府は成長のカギを人材養成が握るとみており、集中的に支援する意向だ。各大学の課程拡大や専門大学院の新設を検討し、20年に年間1000人に増やす。

リチウムイオン電池の重要部材である正極材や負極材などの技術者も育てる。素材全体の韓国の国産化率は20%以下。特に負極材の自給率は1%にすぎず、大部分を日本からの輸入に頼る。人材養成を通じサムスンやLGで内製を促すほか、中堅の素材メーカーも育て国産化率を20年に平均75%に引き上げる。

予算措置は未定だが、研究開発支援も開始。レアメタル(希少金属)であるリチウムの権益獲得に向けた資源外交も強める。リチウムイオン電池を中心とする2次電池で20年に世界シェア50%を確保し、日本を抜き首位を目指すとしている。

韓国政府がリチウムイオン電池の事業拡大に動くのは電気自動車(EV)向け需要の急伸で、従来のデジタル家電向けに比べ加速度的な市場拡大が予想されるため。10年に28億ドル(約2500億円)のEV用電池市場は20年に302億ドルに伸びると見込む。

韓国企業は既に自動車向けの受注獲得を急いでいる。LG化学は現代自動車のハイブリッド車(HV)への供給を皮切りに米ゼネラル・モーターズ(GM)などへの納入契約を獲得した。

供給量拡大に対応するため中部の忠清北道に約1兆ウォン(約730億円)を投じて新工場を建設中。米ミシガン州でも約3億ドルを投じ新工場を設置する計画だ。

サムスンSDIは08年9月に独ボッシュと折半出資でSBリモーティブを設立。独BMWのほか、米部品大手デルファイへの納入契約を結んだ。韓国勢はリチウムイオン電池の勝敗を分ける自動車向けで事業が順調に滑り出している。

(ソウル=尾島島雄)

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