仏トタル、ロシアガス大手と提携
ノバテクに3300億円出資 北部ガス田を開発
【モスクワ=金子夏樹】仏エネルギー大手トタルとロシア天然ガス2位ノバテクはロシア北部ヤマル半島のガス田開発に向け、資本・業務提携することで合意した。トタルはノバテクの株式12%を40億ドル(約3300億円)で取得し、今後3年で19.4%まで買い増す。

ノバテクはヤマル半島で本格化するガス田開発や液化天然ガス(LNG)の輸出に向け、トタルの技術や資金を導入する。
ノバテクのレオニード・ミケルソン最高経営責任者(CEO)は「ほかの海外企業とも交渉を続けており、近く合意できるだろう」との見通しを示した。ヤマル半島のLNG開発には、三菱商事や三井物産も参画を検討している。
ノバテクの開発するガス田の推定埋蔵量は4000億立方メートル超。LNG基地を含む設備投資額は200億ドルに達する見通しで、2016年の生産開始には外資導入が不可欠だった。
トタルはノバテクのLNG事業子会社「ヤマルLNG」の株式を2割取得することでも合意した。LNGは北極海航路で欧州やアジアに輸出する計画だ。
ノバテクはプーチン首相と近い大富豪ゲンナジー・ティムチェンコ氏が大株主で、今回の合意はロシア政府も後押し。同首相は2日「大きな可能性を持つすばらしい合意だ」と述べた。
ロシアは深海部の探査・開発やLNG開発に向け、外資の技術やノウハウを導入する姿勢を鮮明にしている。ロシア石油最大手ロスネフチも今年に英石油大手BPと資本・業務提携したほか、米エクソンモービルとも油田開発で提携した。