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クロスカップリング、触媒は多様

パラジウム使い産業応用が容易に

クロスカップリング反応は使う触媒の種類によって何通りもある。今回のパラジウム触媒が抜きんでているのは、産業応用に適し「汎用性」に優れているためだ。

本来、結合させるのが難しい化合物同士をくっつけるのがクロスカップリング。反応条件が厳しかったり副産物ができてしまったりという問題があった。パラジウム触媒だと目的の反応だけを効率よく達成できる。根岸氏はこの触媒を使い、安定したクロスカップリング反応を実現した。

根岸氏について、同氏を知る玉尾皓平・理化学研究所基幹研究所所長(有機合成化学)は「研究者魂のしっかりした方。新しい反応を見つけたら、どこまで使えるか徹底的にやる。そのすごさを感じた」と指摘する。

これを改良し反応性を高めたのが鈴木氏の「鈴木カップリング反応」だ。化合物同士をくっつける「接着剤」に有機ホウ素化合物を採用した。同化合物は安定性に優れ水に溶けた状態でも反応する。有機化学の専門家でなくても容易に化学反応を進められ、功績が高く評価された。エレクトロニクス材料などにとどまらず、副産物が大敵となる医薬品製造にもクロスカップリング反応を産業ベースで利用できるようになった。

玉尾氏によると、共同受賞者のヘック氏が1972年に発見した「ヘック反応」は71年に東京工業大学の故・溝呂木勉氏も発見していたという。「日本では溝呂木・ヘック反応と呼んでいた。溝呂木先生は若くして亡くなられたが存命だったら(受賞した)と思う」と残念がる。

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