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特集「大震災 再生へ」内の記事のうち、福島原発事故関連の記事は特集「福島原発 遠い収束」に、被災地の復興に向けた記事は特集「震災復興」にそれぞれ移転しました。

東日本大震災、巨大化の仕組み解明 海洋機構などが海底調査
揺れや津波の予測に活用

2013/10/8付
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 海洋研究開発機構などは東日本大震災の震源域がある宮城県沖の海底を掘削調査し、地震が巨大化した仕組みを突き止めた。震源の浅い部分に入り込んだ水が潤滑剤となり、地震を引き起こす断層の動きが通常よりも拡大した。断層は粘土でできており、閉じ込められた水によって滑りやすくなっていた。巨大地震や津波の発生メカニズムの解明に役立つという。

 成果は欧州の科学誌アース・アンド・プラネタリー・サイエンス・レターズに8日掲載される。

 東日本大震災や南海トラフ地震など海で起きる巨大地震は、海側のプレート(岩板)が陸側のプレートの下に沈み込む間にひずみがたまり、限界を超えたときに境界部の断層が滑って発生する。従来はプレート同士ががっちりとくっついた深い場所で地震が起きるとされていたが、大震災ではそれよりも浅い部分までプレートが滑り、揺れや津波が巨大になった。

 海底を深く掘削できる探査船「ちきゅう」を使い、宮城県牡鹿半島沖220キロの海底下約850メートルまで掘り、プレート境界部の岩石を採取した。海洋機構の谷川亘研究員らが分析したところ、境界部は粘土鉱物が約70%を占めた。周辺の地層の40~50%よりも高く、水を閉じ込めやすかった。

 プレート境界の深い場所で地震が起きても、浅い部分のプレート同士には摩擦が働き、断層の滑りにブレーキをかける。

 研究グループはプレート境界に水がたまっていると、地震で滑り始めたときに水が摩擦熱で膨張し、断層を両側から押さえつける力が弱まって摩擦が小さくなり、滑りやすくなったと分析した。

 調査地点に設置した温度計データの解析などを進め、プレート境界部でどう摩擦が働くかを把握し、巨大地震の発生メカニズムの解明につなげる。南海トラフでも来年度に、ちきゅうを使って海底下5200メートルまで掘り進める計画だ。東日本大震災の解析結果も踏まえ、南海トラフ地震で発生する揺れや津波の予測精度の向上に役立てる。

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