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日銀、金利上昇けん制 国債買い入れ、増額求める声も

長期金利は23日、取引開始直後に1%の大台まで上昇した後、株価急落を受けて夕方には0.8%台に低下するという乱高下が続いた。黒田東彦日銀総裁が前日の記者会見で金利の上昇抑制に「尽力する」と表明。早速対応を迫られた日銀に対し、市場からは国債の買い入れ増額など、柔軟な金融政策運営を求める意見が相次いでいる。

日銀は金利上昇をけん制するため、急きょ2兆円を資金供給すると通知。「長期金利の過度な変動率の拡大に対応する」(金融市場局)とメッセージも発信した。

異例の対応に驚き

同時に通知した8100億円の国債買い入れは市場参加者を驚かせた。これまで日銀は財務省の国債入札日に買い入れを通知すると、国の借金を穴埋めする「財政ファイナンス」と受け止められる懸念があるため、通知日をずらしてきた。

異例の対応で金利抑制へ強い姿勢を打ち出すと、株安も相まって長期金利は低下に向かった。円安・株高の流れを導いてきた黒田緩和の効力が失われないよう、日銀は金利上昇抑制に躍起だ。

それでも市場には一段の金利上昇を予想する声が増えつつある。ソシエテジェネラル証券の島本幸治氏は「インフレを目指す政策によって長期金利は上昇しやすく、年内に1.4%まで上がりそう」とみる。日銀は2年で2%の物価上昇を目指しており、「将来の物価を織り込む長期金利を抑え込むのは困難」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美氏)との見方も多い。

日米連動しやすく

米長期金利が2%台に上昇し、景況感が改善する日米の長期金利は連動しやすくなってきた。三井生命保険の杉本整執行役員は「米連邦準備理事会(FRB)では金融緩和政策の変更に慎重だったバーナンキ議長さえ金融緩和の出口論に言及している。米金利上昇につれて日本の長期金利も上昇に向かう」と話す。

どう金利を安定させるか。三井住友銀行の宇野大介氏は「市場が混乱した際に月7兆円としている国債の買い入れ額を多くする工夫が必要」と話す。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は「金利上昇が続けば財政への懸念が出るため、日銀は国債購入額の増加や実質ゼロ金利での無制限資金供給さえ検討せざるを得なくなる」と指摘する。

一方で、債券市場が日銀の対応に依存しすぎることに警鐘を鳴らす声もある。東短リサーチの加藤出氏は「金利が一定水準になると日銀が動くとの期待が定着すれば、日銀と市場の思惑のずれが出ただけで不安定な相場になりやすい」と話す。

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