街角景気、過去最高に並ぶ 株高・円安が波及
3月、7年ぶり 輸出企業「受注増えた」

2013/4/9付
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街角景気が大幅に改善している。内閣府が8日まとめた3月の景気ウオッチャー調査によると、足元の景況感を示す現状判断指数は前月比4.1ポイント上昇の57.3となり、2006年3月に付けた過去最高水準に7年ぶりに並んだ。上昇は5カ月連続。輸出企業からは「受注が増えた」との報告が目立った。ただ、先行き判断には、円安による輸入物価上昇の影響を懸念する声もあった。

3月の景気ウオッチャー調査は同月25日から月末にかけて実施し、小売店やメーカー経営者などの約2千人が景気を5段階で評価した。

現状判断指数は好不況の分かれ目となる「50」を2カ月連続で上回った。各地域ごとのDIでも、全11地域が「50」を超え、北海道・南関東・北陸・四国の4地域で過去最高となった。

「家計」「企業」「雇用」の全分野が改善した。製造業など円安を背景に、引き合いや受注が増加したとの声が多かった。「円安が値引きと同じ効果を生み、引き合い件数が前年同期と比べて20%ほど増えている」(東海の一般機械部品メーカー)。「(円安で)製品価格が維持され、円高時に比べて業績が大きく改善した」(東北の電機機械部品メーカー)との声もあった。

雇用の面でも改善の兆しが見られた。「製造業や建設業などの現場で人手不足感が出てきている」(北陸の新聞社)といった指摘が出ている。

消費マインドも改善が顕著だ。販売現場では「株価上昇に伴い、美術品や宝飾品などの高額商品が好調」(近畿の百貨店)、「客単価は上がっていないものの、前年に比べて明らかに来客数が増えている」(九州のショッピングセンター)と、消費意欲の伸びを指摘する声が多い。

住宅関連も上向きが目立つ。「消費税引き上げが現実的に見えてきており、本格的な駆け込み需要が始まった感がある」(北陸の住宅販売会社)との声もあった。

ただ、景況判断が今回と並んで過去最高だった06年3月と現在の経済情勢を比べると、日経平均株価は依然として27%程度低い。完全失業率も06年に比べてやや高い水準にとどまる。現在の景況感改善は足元ではまだ期待先行の面が強い。

2~3カ月後の景気を占う先行き判断指数は前月比0.2ポイント低い57.5と、5カ月ぶりの低下となった。背景にあるのは輸入価格上昇を受けた原材料の値上がり。財務省が同日発表した2月の国際収支統計によれば、輸入は5兆7428億円となり、前年同月比で11.5%増加した。

企業からは「円安による原材料の値上がりを販売価格にすぐには転嫁できない」(近畿の化学工業)と懸念の声も。「円安の影響で値上がりする商品の購入数の落ち込みや買い控えが発生する」(中国のスーパー)と、上向いた消費が再び冷え込むのを心配する声もあった。

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