2019年2月21日(木)

菅前首相、原発事故「国の責任」 視察批判に反論
国会事故調

2012/5/29付
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国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(黒川清委員長)は28日、菅直人前首相を参考人招致した。菅氏は福島第1原発事故について「国策として続けてきた原発によって引き起こされた。最大の責任は国にある」と認めた。そのうえで「国の責任者として事故を止められなかったことを改めて心からおわびする」と陳謝した。

参考人として出席し、発言する菅直人前首相
(28日、参院議員会館)

参考人として出席し、発言する菅直人前首相
(28日、参院議員会館)

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菅氏への聴取は予定を大幅に超え約2時間50分に及んだ。国会事故調はこれまで当時経済産業相だった海江田万里氏、官房長官だった枝野幸男経産相への聴取を公開で実施。首相補佐官だった細野豪志環境・原発事故担当相らには非公開で事情聴取してきた。事故調は29日に福島県の佐藤雄平知事から事情を聴くほか、東電の清水正孝前社長の招致も検討。6月中に報告書をまとめる。

菅氏は原発事故に対応する政府の体制に関して「シビアアクシデント(過酷事故)に対応できず、事故の想定が不十分だった。最悪の場合、国家の機能が崩壊しかねなかった」と振り返った。事故対応の手順を示した原子力災害対策特別措置法に基づく首相の職責に関しては「どのような権限があるか詳しい説明を事故までに聞いたことはない」と語った。

聴取では原発事故直後の菅氏の行動が焦点となった。3月12日早朝に自ら福島第1原発を視察した理由について「現地の責任者と話すことで状況が把握できると考えた」と説明。原子力安全・保安院や原子力安全委員会、東電から「原子炉の状況や打つべき対策など根本的な状況の説明はなかった」と主張した。「現場を見ることが対策を取るうえで極めて重要という認識を持っていた」と強調し、視察が事故対応を妨げたとの批判に反論した。

海江田氏が菅氏の理解を得るのに時間がかかったため、原子力緊急事態宣言の発令が遅れたと証言したことには「もっと早ければという指摘は受け止めるが、首相官邸の対策室はすでに動いており結果的に支障はなかった」との見方を示した。

原子炉を冷やすための海水注入を巡っては、菅氏が海水に切り替えることによる再臨界を懸念したため、首相官邸に詰めていた東電の武黒一郎フェロー(当時)が一時中止を指示した。

これについて菅氏は「淡水がなくなれば海水注入が必要だと関係者で一致していた。海水を入れて再臨界の可能性が増えるわけではない」と強調。「原子力のプロ中のプロである武黒氏がなぜ注水を止めろと言ったのか、率直に言って全く理解できない」と厳しく批判した。

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